新婚さんごっこ〜兵助の場合〜
家のドアを開けたら、何故かがいた。
「お帰りなさぁい、あ・な・た!ご飯にする?お風呂にす…」
バタン。
反射的にドアを閉めてしまった。
…俺ン家だよな、ここ。
部屋番号を確認する。…間違いなく俺の家だ。
先刻のは一体何だったのだろうか。
もう一度、今度はゆっくりとドアを開けてみる。
「お帰りなさぁい、あ・な・た!ご飯にする?お風呂にする?それとも…私にする?」
「…何でがここにいるんだ?」
「兵助がどんな反応してくれるかなーって思って。思ったより普通の反応だったね、もっと驚いてくれてもいいのに」
「…十分驚いたよ」
「あ、ちなみに本日のメニューは私が腕によりをかけて作った麻婆豆腐だよ」
「本当か!?」
「おかわりも沢山あるからね」
「ありがとな、流石だ!」
食事後。
「ご馳走様」
「お粗末様です」
「美味かったぞ、どうせなら毎日作ってくれよ」
「…一緒に住めって意味に聞こえなくもないんですが」
「え、そのつもりだけど?」