新婚さんごっこ〜三郎の場合〜

家に帰ったら、呼んでもないのにがいた。
「お帰りなさぁい、あ・な・た!ご飯にする?お風呂にする?それともわた…ったぁ何するのよ!」
何を言おうとしてるのかは大体予想出来たので、全部言い終える前に頭を軽く小突いてやった。
「人様ン家で何やってやがんだお前は」
「暇潰しに新婚さんごっこ」
「…一応聞いておくが、“お前”を選んだ場合は」
「私がご奉仕しちゃうぞ!」
「じゃあ“お前”以外で」
「そう言うと思ってたよ、えぇわかってましたとも!…じゃあ、ご飯とお風呂、どっちにする?」
「そうだな、先にメシ食って風呂入って、それから俺に尽くしてもらおうか」
「…はい?」
「だってご奉仕してくれるんだろ?まさか自分で言っておいて今更逃げるなんて事、しねぇよな?」